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アカネスミレ  茜菫  スミレ科スミレ属

アカネスミレ花
日の当たる斜面で早々咲いた <撮影:2016年2月>

アカネスミレ花
まとまるとなかなか豪華 <撮影:2013年4月>

アカネスミレ花
距はすっと細長い <撮影:2013年3月>

このすみれに「アカネ」とつけたのは、多分、花弁の色が茜色だからではないかと想像しているのだが、実は茜色はもっと赤に近く、言葉でいえば「暗赤色」である。しかし、(私が見ている限りの)アカネスミレの色は赤紫色で、どちらかと言えば紫に近いものばかりだ。どうにも解せない。
 また、学名はViola phalacrocarpaで「ビオラ属、無毛果」を意味しており、これも実際と異なっている(後述)。こちらもどうにも解せない。
 こうした問題があるスミレなのだが、私にこれを解決する知識も何もあるはずがなく、とにかくこういう色の、こういう特徴を持っているのがアカネスミレである、かわいらしく、美しい、何か文句ある? ということにするしかないのだ。

 私がよく行く里山では、(あくまで見た感じだが)オカスミレの方が幅を利かせていて、アカネスミレは劣勢、よく目を凝らさないと見つからないというちょっと気の毒な存在になっている。
 スミレが好きな人の中でも、アカネ〜とオカ〜の識別はけっこう面倒らしい。アカネ〜とオカ〜を区別する一番のポイントは、毛である。アカネ〜はとにかく全体に毛が多く、葉にも茎にも、花の側弁基部にも距にも、さらには子房や果実にも、細かい毛がたくさん生えている。触ると柔らかくて気持ちがいいほどだ。対してオカ〜は、側弁の基部以外は無毛なので、全体がつるり・さっぱりとしている。※植物体全体が無毛のものだけをオカ〜とする図鑑もある――そうなると、オカ〜はごくまれにしか見つからない。
 毛は、姿の似ているコスミレとの区別点ともなる。コスミレは側弁基部も距も無毛だ。ほかにも、距がぽってりして、雌しべがよく見えるコスミレに対して、距は細長く、雌しべがよく見えないアカネ〜などの区別点がある。

<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑6 日本のスミレ』(写真・解説/いがりまさし 山と渓谷社)
『野草図鑑D すみれの巻』(長田武正著 保育社)
「上州花狂いの植物散歩」(Website)

<記事 2018年1月4日>

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