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アケボノソウ・フナシアケボノソウ   曙草   リンドウ科センブリ属

アケボノソウ
撮影:2010年9月
フナシアケボノソウ
フナシアケボノソウ 撮影:2015年9月

この花に最初に出会ったのは、ある自然公園の水辺である。とくに柵はないし、近くに踏み跡もあったので、すぐそばまで近よってじっくり見ることができた。
 白を基調としたさわやかな花弁の先には濃緑色の小さな斑点が、ちょうど子どものそばかすのようにいくつもあり、その下にはさらに大きな薄緑色の斑点が二つある。これ、実は蜜腺で、ここに虫を呼び寄せるのだが、こんなところについているのはあまり見たことがない。
 まるで離弁花のように大きく花弁を広げ、雄しべの葯も目立つ。雌しべに花柱はなく、とっくりのような子房の上にいきなり柱頭が突き出ている。直径2〜3センチ程度の花だが、一度見たら忘れがたい存在感がある。花冠が余り開かず、どちらかといったら地味なリンドウ科のなかにあって、異色の存在である。
 和名は、花冠の裂片に斑点がある姿を夜明けの空に見立てたものだという。この花によく似たシノノメソウ(東雲も明け方の意だ)というものがあるそうだが、私はまだ見たことがない。

フナシアケボノソウ

<追補> 植物観察の師匠であるK氏に案内されてみたものが下の写真である。見た瞬間は「あ、アケボノソウか」と思ったのだが、どうも雰囲気が違う。そう。花弁の先にある星(黒い点々)がまったくないのだ。アケボノソウの品種でフナシアケボノソウという。
 こういう変わり種を見つけ出すK氏の才能は、神がかっている。

<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花』(写真/永田芳男 解説/畔上能力 山と渓谷社)

<記事 2013年9月7日>追補:2015年9月29日

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