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ゴンズイ   権萃   ミツバウツギ科ゴンズイ属

ゴンズイ
<撮影:2009年9月> ゴンズイ
ちょっとわかりにくいけど、蕾がいっぱいついているんです。<撮影:2013年5月>

視線を感じて

里山にある公園をぶらぶらしていたら、なんだか、たくさんの目に見つめられているような気がして近づいてみた。青々とした葉の間で、赤い実が熟れて、目玉のような黒い種がキョロッとのぞいている。その場では名前がわからなかったので、写真に撮ってきて調べて、ゴンズイという名に行き当たることができた。
 その後は、山歩きをしていると結構出会うことがあるので、特別珍しい木というわけではない。とくに初秋の時期は、この特徴ある姿を見れば他の樹木と見間違うことはない。果実は袋果で、果皮も肉質で厚い。
 葉は対生で羽状複葉。5月ごろ、樹上にたくさんの花をつけるが、色は黄緑色で小さいために、他の木の枝が重なっているようなところでは、よほど意識的に観察しないと見逃してしまう。

ひどい名をつけられたものだ

ものの本によれば、「材がもろくて役に立たないので、同じように役に立たない魚、ゴンズイの名がつけられた」という説があるというし、春先に枝を切ると樹液があふれ出るため「四国や九州ではショウベンノキと呼ぶ地方もある」とか、枝葉に独特の臭気があることから「イヌノクソ、ネコノクソ、ツミクソノキなどの方言名がある」とか、まあさんざんな言われようだが、秋まで待って名前を付けてもらえなかったことが惜しまれるくらい、果実の姿は魅力的だ。
<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花』(写真/永田芳男 解説/畔上能力 山と渓谷社)
『カラー樹の花1』(解説/倉田悟 山と渓谷社)
<記事 2013年9月14日>

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