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ヒメウラジロ   姫裏白    ホウライシダ科エビガラシダ属

ヒメウラジロ
元気な葉と枯れた葉 <撮影:2014年11月>

ヒメウラジロ葉裏
葉裏 <撮影:2014年11月>

ヒメという名前は、おしなべて小さかったり、やわらかく華奢な感じがしたりするシダに付けられているようだ。姫に対する植物学者のイメージがそうなのだろう。まあ、実際のお姫様たちがそんな様子だったかどうかについては、多分に疑問を感じるのではあるが…。
 この姫の場合、2メートルを超すような大型のシダであるウラジロに比べれば、圧倒的に小さく、華奢である。漆を塗ったようなつやのある細い葉柄は、わずかな力でも折れてしまう。
 そして特徴的な葉裏の白さは、まるで丁寧におしろいを塗った姫の顔ではないか。
 葉の縁はやや裏側に巻き込んで、そこにソーラス(胞子嚢群)を包んでいる。温かみのある白い布の縁飾りのようにも見える。
 常緑性ではあるが、冬には枯れる葉が少なくない。ただ、はらりと落ちるのではなく、寒さに耐えるようにギュッと丸まってしだいに枯れていく。この姿もまた「あはれ」である。
 そんなこんなで、私のかなり気に入っているシダの一つである。
 レッドデータは、環境省・群馬県とも絶滅危惧U類となっているから、そこそこ珍しい部類に入るのだろうが、私の知っているヒメウラジロは、数市町村にまたがる大きなエリアに、しかも道路脇の石垣などに普通にあるので、特に希少なものとは感じていなかった。

<参考文献>
『日本の野生植物 シダ』(岩槻邦男編 平凡社)

<記事 2015年12月16日>

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