
花 <撮影:2016年5月>

裂開した果実 <撮影:2015年9月>

若い果実 <撮影:2013年8月>
ニシキギ科の樹の果実は、その多くが(とはいえ、私の知っている範囲に限られるが)熟すとオレンジ〜紅色のきれいな色になる。
また、枝から下がってつき、果皮が割れてもしばらくのあいだ種子がぶら下がったままになっており、これがまたなんとも趣のある姿となる。
その代表格がニシキギ属で、ヒロハツリバナもそのうちの一つ。名の通りかなり幅の広い葉を持つが、オオツリバナの葉も同じように広い。両者は花もよく似ており、なかなか区別するのが難しい。花弁の数がオオツリバナはふつう5枚(ときに4枚)で、ヒロハツリバナは4枚なので、ここに載せた花の写真はまあ大丈夫だと思うが、絶対的な自信はない。
ただ、果実があれば一目瞭然である。ヒロハツリバナには果皮に大きな翼がついている。写真でも見て取れると思う。オオツリバナにも翼はあるが張り出しはわずかで明らかに違いがある。
秋に林道歩きをしていると、ニシキギ科の樹に出会うのは少しも珍しくない。そのなかでも、特徴のある形のヒロハツリバナの実を見るときには、何とも言えない楽しい気持ちがこみ上げてくる。
<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花』(写真/茂木透 解説/太田・勝山・高橋ほか 山と渓谷社)
<記事 2017年10月31日>