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 ヒトツバテンナンショウ 一ツ葉天南星 サトイモ科テンナンショウ属

ヒトツバテンナンショウ
葉が1枚 <撮影:2018年5月>

ヒトツバテンナンショウ
ほぼハの字の斑 <撮影:2018年4月>

ヒトツバテンナンショウ
こちらはヘの字 <撮影:2018年4月>

ヒトツバテンナンショウ
字というよりは山の絵 <撮影:2017年4月>

テンナンショウ(いわゆるマムシグサ)の仲間を見ると、たくさんの葉をつけているように見える。実はあれは小葉であり、地中にある球茎から茎(偽茎)を巻く形で伸びているものが1枚の葉である。その1枚の葉に、数枚から多いものでは10枚以上の小葉を掌状、あるいは鳥足状(ものによっては扇のようにも見える)に展開する。
 私の活動エリアで見るテンナンショウの多くは、2枚の葉を、仏炎苞の後ろ前に交互に出しているものが多いが、なかにはそれが1枚しかないものがある。
 ヒトツバテンナンショウは、その名の通り1枚の葉を持つテンナンショウの代表格だろう。
 仏炎苞の後ろに葉を出し、数枚の小葉を鳥足状に展開する。その葉とバランスをとるようにやや前に突き出した仏炎苞は、黄緑色ですっきりしている。面白いのは、仏炎苞の上部(舷部)をめくるとハの字またはヘの字の形の、黒紫色の模様がくっきりとついていることだ。花筒の真ん中から突き出している付属体は、細くて、やや前に曲がっている。これもなんともユーモラスである。
 嫌われがちなマムシグサだが、こういうものの存在を知ってもらえれば、印象もだいぶ変わるのではないだろうか。

<参考文献>
『日本産テンナンショウ属図鑑』(邑田仁ほか 北隆館)

<記事 2018年5月16日>

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