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ホツツジ  穂躑躅  ツツジ科ホツツジ属

ホツツジ
シュッと伸びた雌しべの力強さ <撮影:2015年7月>

キバナノヤマオダマキ
蕾の時期は赤っぽい <撮影:2012年7月>

ヤマオダマキ
よく枝分かれする <撮影:2014年8月>

ツツジの仲間と言えば、5裂した花弁がラッパのように大きく開いて、華やかな姿をしているか、壺型でうつむき加減だが、数の多さでけっこう賑やかな感じに咲く姿をしているものと思い込んでいた私にとっては、この花の形は衝撃的だった。
 最初に出会ったのは、4年前の7月、肺ガンの手術から生還し、まだそこそこの体調を維持していた山の師匠N氏(故人)に連れられて、野反湖周辺で夏の花々を思い切り楽しんだ時のことだった。
 地面近くから細い枝が何本も立ち上がり、そこに穂のように白っぽい花がいくつもついている。小さな花弁には、先が円くて長い雌しべがひゅっと突き出している。近くには、全体的によく似ているものの、雌しべがひゅるんと丸まっているのがまた楽しいミヤマホツツジもあった。(そうはいっても実は、このときには何の花かわからず、家に帰ってから調べて分かったのだが…。)
 それ以来、群馬県北部のあちこちで目にするようになった。

 くるんと後ろに巻きあげた花弁ももちろんかわいらしいけれど、この花のいちばんの魅力は、何と言っても長く突き出した雌しべである。これによって、単にかわいらしいだけでなく、我ここにありという存在感が強くアピールされている。
 それにしても、ふつう花弁にとまって中に潜り込んで蜜を吸う虫たちが、この雌しべの先にどうやって花粉をつけていくのだろうか。機会があったら、そのへんのこともじっくり観察してみたいものである。
 まあいずれにしても、この花の独特の造形美には、何度出会ってもまいってしまう私である。

<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花』(写真/茂木透 解説/城川・高橋・中川ほか 山と渓谷社)

<記事 2016年7月27日>

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