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フクロシダ   袋羊歯    イワデンダ科イワデンダ属

フクロシダ
初夏の若々しい姿 <撮影:2014年5月>

フクロシダ
風船のような包膜 <撮影:2014年10月>

フクロシダ
秋のフクロシダ <撮影:2013年10月>

林道を車で行き、コンクリートの吹付などではなく、自然の岩でできている道路の壁面を見ると、わりあい簡単にこのシダに出会うことができる。
 一見、イヌシダにも似ているが、こちらは土と石が混じったような崖が好きなようで、同じ場所で両者を見たことはない。イヌシダは全体が毛だらけだが、フクロシダに毛はまばらで、ずっとすっきりしている。
 なによりの特徴は、葉を裏返すとはっきりする。
 シダのソーラス(胞子嚢群)を包む包膜は、ほぼ平らでお皿のようになっているのが多いが、このシダは名前の通り袋状にすっぽりを胞子嚢を包んでいる。ルーペで拡大すると、小さく白い紙風船が張り付いているように見える。
 これがなんとも面白くて、これまでもたくさんのフクロシダを見てきているにもかかわらず、新たに出会うたびに欠かさず葉をひっくり返して、袋状の包膜に見入るのである。
 夏緑性のシダなので、冬には枯れて姿が見えなくなる。そして初夏の頃には、ふたたび鮮烈な若い葉を見ることができる。これはこれでまた心楽しいものである。

<参考文献>
『日本の野生植物 シダ』(岩槻邦男編 平凡社)

<記事 2015年11月18日>

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