柊老人のほろ酔い人生 > 植物との出会いの部屋 >  ジンジソウ

ジンジソウ  人字草  ユキノシタ科ユキノシタ属

ジンジソウ花
下の花弁がすらりと長い <撮影:2016年9月>

ジンジソウ全体
全体の雰囲気 <撮影:2016年9月>

植物観察の師匠であるK氏に生育地を教えてもらったのだが、実際にそこを訪ねたのは翌年のことだった。場所はやや荒れた林道のガードレールの下。その日は単独行動だったのでどうしようかと思ったのだが、上からのぞくとけもの道のようなものがあり、なんとか行けそうに思えたので、ガードレールの切れ目から下りてみた。
 足を踏み出すたびに土が少しずつ崩れる。ひやひやしながらもなんとかたどり着いて撮影し、林道に上がったら、なんと少し脇の岩にも同じものがたっぷりあるではないか。まさにガクッという思いであった。

 群馬県のレッドリストでは絶滅危惧U類になっているから、それなりに貴重な植物なのだろう。名前は文字通り「人」の字に似ていることによる。同属には同じ発想で名づけられたダイモンジソウというものもある。
 ユキノシタと形はよく似ているのだが、ジンジソウの方が下の2枚の花弁が長く、たしかに人の字に見える。また、上の3枚の小さな花弁は、ユキノシタでは基部に黄色の斑点があり、その上に赤い模様がついてなかなか華やかであるが、ジンジソウには黄色い斑点があるだけで、すっきりとしている。
 両者を区別するもうひとつのポイントは花期。ユキノシタは春、ジンジソウは秋だ。また葉の形も、ユキノシタは裂片が尖っており、ジンジソウは丸っこくて柔らかい感じがする。

<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花』(写真/平野隆久 編・解説/畔上能力 山と渓谷社)

<記事 2017年9月27日>

#