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 ジロボウエンゴサク  次郎坊延胡索  ケシ科キケマン属

ジロボウエンゴサク
 <撮影:2018年4月>

ジロボウエンゴサク
 <撮影:2018年4月>

ジロボウエンゴサク葉
葉 <撮影:2018年4月>

植物研究者のO氏から、「最近ジロボウエンゴサクを見かけなくなった。過去の採集記録のあるところをあたっても、見当たらない。見つけたらぜひ教えてほしい」と言われたのは、ある年の秋のこと。そう言われて、野外に出るときは一応気にしていたのだが、なんとか見つけ出すことができたのは、その翌々年の春だった。
 別にジロボウ〜があるだろうと思って行ったわけではなく、季節の「めずらしい花が咲いているよ」と教えてもらった、その場所のすぐそばに咲いていたのだ。
 一見したときは、おや、ここにもムラサキケマンが、と軽く反応したのだが、どうも葉の様子も、花のつきかたも、雰囲気が違う。で、よくよく近づいてみたら、苞が全縁ではないか。「これぞジロボウ!」ということで、さっそくO氏に写真を送り、ジロボウの再発見となった次第である。
 その後、植物仲間から別の自生地も教えてもらい、2か所で数百株のジロボウの生育を確認している。よく探せばもっとあるに違いない。

 昔は、農村地帯のどこにもあったらしい。名前の由来も、子どもたちがスミレを太郎坊と呼び、こちらを次郎坊と呼んでいたことにあるようだから、まあごくありふれた植物だったのだろう。ちなみにエンゴサクは、この仲間の植物の塊茎を乾燥させたものを延胡索という漢方薬として使っていたからということである。
 葉は2〜3回3出複葉で、小葉はあまり切れ込まない。花の距はずんぐりとしている。苞は全縁でエゾエンゴサクと同様だが、(私の観察の限りでは)生育地が重なることはない。

<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花』(監修/林弥栄 写真/平野隆久 山と渓谷社)
『野草の名前 春』(文庫版)(高橋勝雄著 山と渓谷社)

<記事 2018年5月14日>

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