柊老人のほろ酔い人生 > 植物との出会いの部屋 > カギタチツボスミレ

HOME | 植物の部屋

(俗称)カギタチツボスミレ    鉤立坪菫   スミレ科スミレ属

カギタチツボスミレ

距がカギになっているのが分かりますか?
撮影2012年4月10日

カギタチツボスミレ

これならはっきり
撮影2013年4月1日

タチツボスミレこちらは普通のタチツボスミレ
撮影2012年3月28日

実は複雑怪奇なスミレ

 スミレとひとくちに言うが、それぞれの種名を同定するのは、私などのような初心者にはなかなか困難である。日本にあるスミレ属は約50〜60種といわれるが、品種レベルまで細かく見ていくと220種ほどあるという。さらに新しい雑種も見つけられており、それらをすべて同定することなどほとんど不可能ではないか。
 タチツボスミレは、ほぼ全国的に分布し、平地の公園でもそこそこの山地でもみられる、日本を代表するスミレのひとつである。それだけに、たいして観察もせずに「ああ、これはタチツボスミレ」などと言ってのけがちだが、これがとんでもない間違いで、環境への適応力が高いだけに変異が多く、さまざまなタイプがある。また、距(花の後ろに、ニョッと突き出ている部分のこと)がなかったり、2本あるなどの奇形もある(距なしタイプは私も目撃している)。
 ここで紹介するのは、そのひとつ。ふつう、タチツボスミレの距は、やや太めで、上向きにゆるやかにカーブしているものだが、このタイプは、それがさらにかぎ型に曲がっている。中にはほとんど巻貝のようにくるっと巻き上げているものもある。
 ただ、専門家の中では、これをタチツボスミレの1品種として独立させるだけの見解にはいたっていないらしく、学名はつけられていない。それゆえ、表題も(俗称)という断り書きを入れておいた。
<参考文献  『山渓ハンディ図鑑6 日本のスミレ』(いがりまさし 山と渓谷社)『スミレハンドブック』(山田隆彦 文一総合出版)>
<記事 2013年4月2日>

#