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カシワバハグマ   柏葉白熊   キク科コウヤボウキ属

カシワバハグマ
<撮影:2012年10月> カシワバハグマ
<撮影:2013年10月>

里山を歩けばたいていのところでこの植物の姿を見ることができる。しかし、華やかな花弁を開いているわけではなく、白いひものようなものがまとわりついているだけの姿ゆえか、注目度は高くない。
 名前の中にカシワバ(柏葉)とあるが、カシワの葉は鋸歯も大きく、丸っこいもので、名付け親がどうしてこの葉を連想したのか、私にはよくわからない。
 茎について咲いているのは1つの花のように見えるが、実はいくつもの小花が集まったものである。モミジハグマ属の花もこの点は似ている。カシワバハグマの小花は10個程度。いずれも筒状花であるが、その花弁(1枚)が5つに割れ、長い紐のようになったり、くるくると巻きながら飛び出しており、これがまるで1枚ずつの花弁のように見える。
 突き出ている棒状のものは雌しべ(先が二つに割れている)と、それを囲むようにへばりついている雄しべ(出ているのは葯)である。真ん中にはまだ花弁が開かない小花がいくつか見える。
 地味な花でも、ルーペを近づけてあれこれ眺めていると、こういう面白い構造が分かる。これがまた植物観察の楽しみでもある。
 なお、ハグマとは、払子(ほっす=坊さんが持つはたきのようなもの)につけるヤクの尾の毛のことを言うのだそうで、ひらひらとした花弁をこれになぞらえたのであろう。こういうところに、名づけた人の想像力のたくましさを感じる。

<参考文献>
『日本の野生植物 草本V』(佐竹・大井・北村・亘理・冨成編/平凡社)
<記事 2014年10月5日>

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