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キタミソウ  北見草  オオバコ科キタミソウ属

キタミソウ
よく目を凝らさないと見つからない <撮影:2015年12月>

キタミソウ
ピントが甘いのはご愛嬌ということで <撮影:2015年12月>

キタミソウ
同上 <撮影:2015年12月>

はい、これがキタミソウです、といっても、この写真を見た方から「おいおい、どこにそんな花があるんだよ」と言われそうですが、まあ、目を凝らしてみてください。小さな白い花が写っているでしょう。それがキタミソウです。

 私のホームページでは、原則として撮影地は公表しないことにしていますが、このキタミソウに限っては、地元の自治体が大きな看板も掛けて公表しているので、知っている人は知っている場所です。
 だからといって、その看板の下に行けば誰でもすぐわかるかといったら、そんな生易しいものではありません。私をそこへ連れて行ってくれたのは、植物観察の大師匠であるM氏ですが、M氏に「ほら、ここにあった」といわれても一瞬わからないほど、小さくてしかも見つけにくい場所にあるのです。
 とにかく、川べりの、ほとんど水面に接するところに生えているのです。だから、正面から写真を撮るには、川の中に入らなければなりません。もちろん長靴を履いていましたが、川底の泥はすごく柔らかくて、長靴がズズッと沈んでいきます。抜こうとしても簡単には抜けない。深い川ではないけれど転倒すれば間違いなくずぶ濡れ。いやあ、写真を撮るより、必死で自分の身体を守りぬいたという、とんでもない撮影行でした。
 写真のピントが甘いのは、そういう悪条件のせいなのです。

 キタミソウは北海道の水湿地によくみられ(名前の由来も北海道北見市で最初に発見されたことから)、本州・九州でもまれに見出されるそうです。
 群馬県でもかつては生息していました。M氏は1999年2月に、利根川流域で開花中の3個体を発見しています。ほかにも発見報告があります。それにしても県内や近隣の生息地は点在しており、これは渡り鳥が種子を運んできたからではないかというのがM氏の説であります。
 花の直径が1センチにもならない小さな白い花です。図鑑は花期を6〜10月としていますが、産地の水環境によって大きな違いがあります。実際、埼玉県のこの地では寒風に耐えて、11月頃から翌年3月頃まで咲き続けるそうです。

<参考文献>
「上州花狂いの植物散歩」(Website)
『日本の野生植物 草本V』(佐竹・大井・北村・亘理・冨成編 平凡社)

<記事 2016年12月3日>

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