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クサギ   臭木    シソ科(←クマツヅラ科)クサギ属

クサギの果実
クサギの果実 <撮影:2015年10月>

クサギの花
クサギの花 <撮影:2008年8月>

そんなに悪いにおいでもない

葉をちょっと揉んで鼻に近づけると、たしかに独特の臭いがする。これが悪臭であるとしてクサギの名がついたようだが、私としては特に刺激的な悪いにおいとは思えない。まあ、いい匂いともいえないが…。
 先駆(パイオニア)植物の典型であり、林縁などでかなり大きい顔をしているが、町の中でもちょっと林のような薮のような場所で目立っている。
 花は、5裂の大きな白い花冠であり、だいたいいっせいに開花するから、遠目でもよく目立つ。
 果実がまた面白い。果実そのものは真ん中にあって、つやつやとした藍色の球体なのだが、その下に5裂の真紅の萼が果実と一体になって存在している。

さるぼぼを連想

クサギの果実を見ると、私はどうしても飛騨地方の民芸品、さるぼぼを連想してしまう。
 さるぼぼは、猿の赤ん坊のことで、悪霊祓い、疫病除けのおまじないとして用いられてきたようだ。秩父では水子供養の寺院に多数のさるぼぼが奉納されているのを見たこともあるから、ここではまた別の意味が込められた人形なのだろう。
 さるぼぼは円くて赤い顔の下に両手両足のついた赤い胴体があるもので、クサギの実とはずいぶん形が違うのだが、紅色の萼のあまりの強烈さゆえか、私の脳裏ではこの実とさるぼぼの姿がどうしても重なってしまう。
 もしかしたら葉から出る臭いは、ドラキュラとニンニクのように、悪霊が嫌がるものなのかもしれない。

<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花』(写真/茂木透 解説/城川・高橋・中川ほか 山と渓谷社)
「Wikipedia」

<記事 2015年10月18日>

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