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マメヅタ  豆蔦  ウラボシ科マメヅタ属

マメヅタ
2種類の葉の形にご注目 <撮影:2014年12月>

マメヅタ
岩を這い上っている風情 <撮影:2017年1月>

豆のような肉厚の円い葉が、ツタのように壁を這って行く、「マメヅタ」とはまさに言いえて妙の名前である。
 これまでにこのシダを見たのは、真鶴半島が最初で、次は青梅市。なので、群馬県にはないのかもしれないと勝手に思い込んでいたのだが、とんでもなかった。
 その日も、わが植物の大師匠(おおししょう)であるM氏に連れて行ってもらって、シダも含めた珍しい植物をみてまわっているときだった。なんとなく頭に浮かんだマメヅタの話をしてみたら、M氏は即座に「これからいくところにあるよ」と、いとも簡単に言ってのけた。
 実はその場所、これまでに私も何回か行ったことのある所だったのだ。まさかそこにあったとは。たしかに、車を降りてわずかなところにそれはあった。昨年もこの壁面を見ていたのだが、まったく認識することができなかった。自分の観察力のお粗末さに、いまさらながら愕然とした。

 円い葉には胞子はつかず、もっぱら光合成を担当する。その脇に、へら形の葉が立ち上がり、裏面にはびっしりと胞子嚢をつけているのが、写真でも見て取れる。こちらは胞子葉。こういう2種類の葉を持つシダを「二形」とよんでいる。
 大きく葉を広げるシダのような華やかさはないが、なんともかわいらしいシダである。

<参考文献>
『写真でわかるシダ図鑑』(池畑怜伸著 トンボ出版)

<記事 2017年2月5日>

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