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ムラサキシキブ   紫式部   シソ科(←クマツヅラ科)ムラサキシキブ属

ムラサキシキブ
<撮影:2013年6月>

秋の実はよく知られているが

紅葉が終わったころの秋の野山に行くと、鮮やかな紫色の実をつけて存在感をアピールしているのがこの木である。
 花は梅雨時のいまごろ咲くのだが、大きな葉の真ん中あたりにちんまりまとまって咲いているので、案外気づかれにくいようだ。薄紫色の花冠から雄しべ雌しべが競うように突き出ているさまは、なかなかかわいらしい。

名前のいわれは…

ムラサキシキブとくれば、いわずとしれたあのお方である。この樹木にまだ名もなかったころ、ある人が、紫色をした実か花を見て、
「う〜ん、きれいな紫色だ。紫…、ムラサキ…、そうだムラサキシキブと名をつけよう」
 まあ、当たらずとも遠からずの想像ではないでしょうか。
 少しでも文学的知識があれば、紫から紫式部を連想するのはごく当たり前。花や実が紫色の植物は少なくない中で、この木だけがかくも高名な名をいただけたのはなぜ?
 答えは、「要するに早い者勝ち」というのが橘為右衛門氏のご高説であります。

 花も実もムラサキシキブによく似たヤブムラサキは、萼や花柄、葉柄などがびっしりと毛でおおわれており、慣れれば遠目でも区別がつく。庭木として好まれ、やや小さめの紫色の実がたくさんつくのはコムラサキ(別名コシキブ)である。

<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花』(写真・茂木透、解説・城川四郎ほか/山と渓谷社)
<記事 2014年6月10日>

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