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ニオイタチツボスミレ   匂立坪菫   スミレ科スミレ属

ニオイタチツボスミレ
<撮影:2012年4月> ニオイタチツボスミレ
<撮影:2014年4月>

官能的な香りに酔いしれて

このスミレに初めて出会ったのは、わずか2年前のことである。
 植物にも鳥や蝶にも詳しいHさんに案内していただいた里山に、このスミレはあった。スミレ初心者の私も、タチツボスミレくらいは知っていたが、その仲間内のこのスミレのことは全く知らなかったのだ。
 名前を教えてもらい、このスミレの最大の特徴である「におい」を確かめるべく、ほとんど腹這いのようになって鼻を花に近づけると、ああ、驚き! 香りに関する知識が全くない私なので、表現すべき言葉を知らないのだが、えもいわれぬ甘く官能的な香りがするではないか。
 これがスミレの香りか。人間の心さえ蕩かすようなこの素晴らしい香り。一度この香りを味わった虫たちは、間違いなくこの花の虜になってしまうだろう。
 しかもこの花の姿のなんと凛々しいことか。群れなして咲くことの多いタチツボスミレとは明らかに一線を画して、近寄りがたいほどの孤高の存在感を漂わせている。数個の花をつけている株でさえ、1花1花の自己主張がなんとも際立っているではないか。
 この花の姿にも、香りにも酔いしれてしまう私は、今日も、酔いに任せてとりとめもない文章を綴ってしまった。

<記事 2014年4月26日>

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