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オケラ  朮  キク科オケラ属

オケラ花
雌花(両性花) <撮影:2016年10月>

オケラ蕾
まだ蕾 <撮影:2017年9月>

オケラ葉
若いうちでもすぐわかる葉 <撮影:2013年4月>

オケラ冠毛
冬。こんもりとした冠毛 <撮影:2014年1月>

昆虫にもオケラ(ケラ科の昆虫の俗称)というのがいるが、こちら、植物のオケラはそれとは何の関係もないようだ。
 手近の図鑑では「古代のウケラがなまったもの。『万葉集』にもでてくる」とある。たしかに以下の三首の東歌がある。
(三三七六)恋しけば袖も振らむを武蔵野のうけらが花の色に出(づ)なゆめ
(三三七九)我が背子をあどかもいはむ武蔵野のうけらが花の時無きものを
(三五〇三)あせか潟潮干(しほひ)のゆたに思へらばうけらが花の色に出めやも
 ではその「うけら」とは何かというと「語源ははっきりしない」ということで、ガクッとなる。

 花はキク科によくある筒状花の集合体。独特なのはそのまわりにある「苞」と呼ばれる部分(「総苞外片」という説もあるようだが、ここは多くの図鑑が採用している説に従う)。まるで魚の骨のような姿をしている。
 冬になると痩果にたっぷりと冠毛をつけるので、まるで花が咲いているかのように見えるのも楽しい。

<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花』(監修/林弥栄 写真/平野隆久 山と渓谷社)
『萬葉集私注 7』(土屋文明 筑摩書房)
「三河の植物観察」(Website)

<記事 2017年10月24日>

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