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オニグルミ   鬼胡桃   クルミ科クルミ属

雌花
<撮影:2011年5月> 雄花と雌花
<撮影:2014年5月>

花は頭の上に

山地の渓流沿いの崖や大きな川の河川敷などでよくみられるのがこの木である。風が吹けば羽状複葉の大きな葉がわさわさと揺れて、壮観である。
 たいていは人間の頭より高いところに花をつけるから、どんな形の花が咲いているのか、知らない人が多いだろう。
 花は雌雄が別であるが、同じ木につく。下の写真で2本垂れ下がっているものが雄花序で、ここに雄花がたくさん並んでいる。その上にツンツンと突き出ているものが雌花で、上の写真は、それを拡大したものだ(別個体)。手を広げたように伸びている赤いものは柱頭(花粉を受ける、雌しべの先端部)である。はなびらがないので(実際は、苞、小苞、花被片が合着して、子房を包む花床になっている――柱頭のすぐ下の部分)、これが花と言ってもなかなか得心してもらえない。

種はうまいが硬くて割れない

この雌しべが受粉すると、秋には硬い大きな実をつける。中には脂肪たっぷりの種子が入っていて、なかなか美味である。
 土産物屋で売っているような胡桃は、たいていが外国生まれのテウチグルミ(カシグルミ)で、ちょっと器用な人なら胡桃同士を噛み合わせて割ることができるが、オニグルミの実は、そうはいかない。金づちで叩くくらいでは割れないのである。
  わが金曜植物クラブのリーダーであるAさんによれば、皮を剥いた後、3日3晩水につけ、それをフライパン(古くなって料理に使わなくなったものがよい)でじっくり乾煎りすると、わずかに口が開くので、そこにナイフなどをねじ込んでこじ開けるのだそうである。好きな人はそこまでやるのだ。
 その硬い種が、土の中にあると、いつの間にかきれいに真ん中が割れて、春から初夏にかけて根をだし、芽吹いてくる。どこにどういう力が加わるのか知らないが、自然というのは、実にうまくできているものだ。

<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑3 樹に咲く花 離弁花@』(写真・茂木透、解説・石井英美ほか/山と渓谷社)
<記事 2014年5月11日>

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