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オシャグジデンダ       ウラボシ科エゾデンダ属

オシャグジデンダ
なぜか鋼鉄のロープが樹に 撮影:2014年10月

オシャグジデンダとホテイシダ
ホテイシダ(左下)と競演 撮影:2015年9月

そこに何々という植物があるという情報をもって出かける場合もあれば、なにもないがとにかく行けばなんらかの出会いがあるに違いないと信じて出かける場合もある。
 このシダに出会ったのは、後者のほうである。この日は、そこにたどり着く前に少し早い紅葉を楽しみ、咲き残っていた初見のトリカブトを見ていい気分になっていたので、ついもう少しと足を延ばしたのだ。
 車を運転しながら右を見たり左を見たり、下を見たり上を見たりするわけだから、後についている車があればきっといい迷惑に違いない。で、たまたま上を見た時、樹の幹の上の方から鋼鉄製のロープが垂れ下がっている。あれはなんだと思ってさらによく見たら、そこになにか見慣れない植物が生えている。
 狭い山道だが、わずかな駐車スペースを見つけて車を止め(こういうとき軽自動車は便利だ)、カメラを抱えてその樹の下へ。
 望遠レンズで覗いてみると、葉の裏にソーラス(胞子の袋のかたまりのようなもの)らしきものが見えるので、どうやらシダらしいと分かるが、初見なので名前までは分からない。透き通っているような明るい緑がさわやかである。
 初見のシダは標本用に葉を1枚いただきたいのだが、これは高いところにあるのでとても無理。写真だけ取って我慢するしかなかった。その後調べて分かったのが、標題の名前である。

 それにしても変わった名前だ。図鑑によれば、発見地である長野県木曽地方の社貢寺にちなむという。ただ、「おしゃぐじ」またはそれに類する呼び名の宗教施設や信仰も各地にあるようで、確たることはわからない。

<参考文献>
『日本の野生植物 シダ』(岩槻邦男編 平凡社)

<記事 2015年10月2日>

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