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オトメスミレ  乙女菫  スミレ科スミレ属

オトメスミレ
はつらつとした白 <撮影:2013年4月>

オトメスミレ
距に紫が残る <撮影:2017年4月>

オトメスミレ托葉
托葉は櫛の歯状 <撮影:2013年4月>

タチツボスミレの白花タイプ。同じ白花でもいくつかの種類があるのだが、そのうち、花弁は白く、距に青紫色が残り、花柄は無毛という3つの要素にあてはまるスミレのことをオトメスミレという。タチツボスミレの品種に位置付けられている。
 牧野富太郎が箱根の乙女峠で発見したのが命名の由来だということなので、全くの偶然なのだろうが、まさにこのスミレの風情を見事に表した名前ではないか。

 この花を最初に教えてくれたのが、わが植物観察の師匠であるK氏だ。里山の中腹にへばりつくように家がある小さな集落の曲がりくねった道をたどっているとき、道端に群れ咲いているのを教えてもらった。
 全体の雰囲気や托葉の形などはたしかにタチツボスミレなのだが、なんともいえない清楚ではつらつとした白い花弁は、明らかに別の世界に住んでいるスミレのように見えて、すっかり魅せられてしまった。
 その翌々年、教えられた場所に行ったのだが、まったく姿が見えない。地域の人々が草刈りをする場所だから、他の雑草と一緒に刈られてしまったのかもしれない。
 できることなら、こうした野生のスミレは何とか絶やさずにおいてほしいものだ。

<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑6 日本のスミレ』(写真・解説/いがりまさし 山と渓谷社)
「上州花狂いの植物散歩」(Website)

<記事 2018年1月24日>

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