柊老人のほろ酔い人生 > 植物との出会いの部屋 > レイジンソウ

レイジンソウ  伶人草  キンポウゲ科トリカブト属

レイジンソウ
 <撮影:2016年9月>

レイジンソウ
こんな咲き方をするものも <撮影:2012年10月>

レイジンソウ
果実(緑色のふっくらしたもの) <撮影:2015年9月>

フェイスブックにレイジンソウの写真を投稿したら、「麗人草と書くのか?」「洋装の麗人の雰囲気だ」との反響があった。
 なるほど、麗しき女性の立ち姿と見えないこともないから、こちらの麗人草も悪くないなと思ったのだが、命名者の連想はだいぶ違ったようで、手近の図鑑によれば、「花の形が舞楽の伶人がかぶる冠に似ているため、この名がある」という。伶人とは、雅楽の演奏者のことである。雅楽の演奏者など見たこともない私にとっては、イメージがうまく結べないのだが、う〜む、植物学者というのは、そういう方面の知識も豊かな人たちなのかと感じ入った次第である。

 レイジンソウは、他のトリカブトとは姿かたちに少し違いがある。それゆえか、レイジンソウ亜属に分類されており、トリカブト亜属に属する一般的なトリカブトとは微妙に違うものとして扱われている。
 ただ、毒性についてはどうやらトリカブト同様に強烈なようなので(ネット検索による知識)、うっかりでも口にしないようにしなければならない。

 生育分布では、県内はアズマレイジンソウの方が多いとされている。しかし、最近撮影したものは、花柄や頂萼片(帽子のような形をしたもの)に開出毛がある。アズマレイジンソウならここには屈毛が生えているので、これはレイジンソウであろうと判断し、植物観察の大師匠(おおししょう)であるM氏にもご教示いただいて、そのように同定した。
 これまで撮りためていた写真についても、観察会で説明されたままにアズマレイジンソウとして分類していたのだが、あらためて点検したところ、いずれも開出毛が確認できるので、こちらもレイジンソウとして整理し直した。

<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花』(写真/平野隆久 編・解説/畔上能力 山と渓谷社)
『新明解国語辞典 第5版』(山田忠雄ほか 三省堂)

<記事 2016年10月4日>

#