
花 <撮影:2013年6月>

葉 <撮影:2016年5月>

果実 <撮影:2012年9月>
この植物に最初に出会ったのは、いまから5年ほど前になる。花びらと花びらの間に大きな隙間があるその姿に、なんとも奇妙な感じを抱いたことを今でも覚えている。
その後、尾瀬でこの花を撮影していたら、中学生らしい子どもたちを引率していたガイドさんが「この花、知ってる?」と聞くから「ルイヨウボタンでしょ」と言ったら、「へえ、よく知ってるね」と感心していた。ということは、けっこう珍しい植物なのかと思っていたら、それほどでもなくて、その後もずいぶんいろいろな山で出会っている。
花の姿はちょっと独特だ。大きな花びら様のものは萼片(内萼片)で、それに張り付くような形で、花の中心部近くに花弁がある。その先が広がって少し立っているので、何となく円くつながっているように見える。
葉は、2−3回3出複葉で、牡丹の葉に似ていると言えなくもない。これが多分「〜ボタン」の和名の由来なんだろう。
秋になるとうすい紫色の果実をつける。これはこれでなかなか風情がある。
<参考文献>
『日本の野生植物 草本U』(佐竹・大井・北村・亘理・冨成編 平凡社)
<記事 2017年3月30日>