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サザンカ    山茶花   ツバキ科ツバキ属

園芸品種・春雨錦
園芸品種の春雨錦  <撮影:2011年11月>

サザンカの花を見ると、「曇りガラスを手で拭いて〜〜」と、さざんかの宿の一節をつい口ずさんでしまうのは、団塊の世代の悲しい性(さが)だろうか。
 空っ風が吹きすさぶ季節に大柄の花を咲かせるその姿は、厳しさに耐えるひたむきさの象徴とも、また、凛とした強さの象徴とも例えられる。
 私にとって悩ましかったのは、この花がツバキとよく似ており、雰囲気的にはなんとなく違いが分かるのだが、きちんと筋道を立ててその区別を説明することができていなかったことである。季節的にはサザンカの方が早く咲くものと思っていたが、どうみてもツバキにしか見えない花が暮れの内に咲いていたりして、この思い込みは簡単に否定されてしまったのだった。
 あらためて図鑑を読み込んだり、実際のサザンカとツバキを観察するなかでようやくほぼ違いが分かるようになった。同じような悩みを持っている方もいるかもしれないので、以下、サザンカとツバキを見分けるポイントを列記する。

サザンカとツバキの見分け方

まず、花の咲き方。サザンカは花弁が平開する(ぶわっと、ほぼ平らに開く)。ツバキはそれに比べるとずっとつつましく、すぼんだように咲く。
 花の散り方。サザンカは、はなびらも雄しべもバラバラになって落ちる。ツバキは、花の形のままぽとっと落ちる(首が落ちるようで縁起が悪いと嫌う人もいるくらい)。
 葉。サザンカは小さくて、両面の主脈と葉柄に短毛がある。ツバキの葉はサザンカよりずっと大振り。両面無毛。
 ――これだけ違いが分かれば、ほぼ区別がつくが、やっかいなのは両方ともたくさんの園芸種があり、サザンカとツバキの中間の形質をもったものも少なくないことだ。現に、我が家にあるツバキの園芸種(春に咲く)の葉裏には、長い毛が散生している。上の写真のサザンカも、はなびらが平開しているとはいいがたい。困ったときは、カンで決めるか、「不明」というしかない。
 ただ、サザンカの自生地は本州では山口県のみとされているので、私が出かける山野で区別に迷うことはない。そこは気楽である。

<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花』(写真/茂木透 解説/太田・勝山・高橋ほか 山と渓谷社)

<記事 2014年12月20日>

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