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センボンヤリ   千本槍    キク科センボンヤリ属

センボンヤリ花
春の花 <撮影:2012年05月>

センボンヤリ果実
秋の果実。まさに千本槍 <撮影:2015年11月>

センボンヤリ果実
秋の果実。花のような冠毛 <撮影:2015年11月>

セン・ボンヤリではなく、センボン・ヤリと読んでください。まあ、漢字を見るまでもなく、このホームページを見ている人に、そんなぼんやりした御仁はいらっしゃらないだろうが。

 ちょっとした里山を歩くと、ちょいちょい見かける植物だ。
 春には、ロゼット状の根出葉からすっと花茎を持ち上げて、そこに白い舌状の花弁を広げる。花弁の裏側は赤紫色なので、十分開花していないと赤い花のようにも見える。
 春の花は、中心に筒状花もつける。写真上の中心部にポツポツある丸っこいものがそれ。

秋に閉鎖花をつける

センボンヤリの特徴は、秋に閉鎖花をつけることだ。閉鎖花はスミレなども盛んにつけるが、要するに、子孫を残すための植物独特の戦略ということになるだろう。
 名のごとく「閉鎖」花であり、花弁を広げることはない。一見すると蕾のようなものの中で自家受粉を行うから、種子をつくるという点では非常に確実性のあるやり方ということができる。
 受精して果実になったあとは、たっぷりとした長い冠毛がまるで白い花のように展開して、秋の野に彩りを添える。この果実の様子を槍に見立てて、この植物の名前が付けられたそうである。
 果実は、やがて冬の寒風に乗ってあちこちに運ばれ、そこで新たな生を育んでいく。

<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花』(監修/林弥栄 写真/平野隆久 山と渓谷社)

<記事 2015年12月3日>

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