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 シャク 杓 セリ科シャク属

シャク花
花弁の1枚が大きい<撮影:2018年4月>

シャク実
果実<撮影:2014年6月>

シャク全体
 全体はこんな感じ<撮影:2012年5月>

本格的な植物観察を初めて間もないころ、師匠のK氏にあちこち連れて行ってもらったが、そのころに出会ったのが本種。貴重な植物を守ることを繰り返し強調していたK氏なのに、この植物だけはなぜかバリバリ摘み取っている(といっても片手でつかめる範囲だが)。氏の地域ではごく普通の山菜として、みんなが食べているというのだ。私にも採れと言うが、初めて出会う植物を食べることになんとなく抵抗があって、そのときは採らずに帰ってきた。
 次の機会には思い切って採って家でゆでて食べた。しゃきしゃきとした歯ごたえ、強いアクもなく、さわやかで美味しかった。以後、季節になると自然の恵みとしていただくことにしている。

 小さな白い花がまとまって咲く。湿り気のある谷筋のようなところに生えるから、薄暗い中の白さが印象的だ。花弁は5枚で、うち1枚が特に大きくて全体的にはいびつな形をしている。
 それにしても変わった名前だ。下記の参考文献では、北海道の一部や東北の方言でオオハナウド(セリ科)をシャクと言い、本種をコシャクといっていたが、その後、前者にオオハナウドの名が与えられたので、コシャクのほうをシャクと呼ぶようになったという説を紹介している。それはそうなのかもしれないが、私としては、噛んだ時のしゃきしゃき(しゃくしゃく)感がそのまま名前になったような気がしてならない(妄想)。

<参考文献>
『野草の名前 春』(文庫版)(高橋勝雄著 山と渓谷社)

<記事 2019年4月14日>

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