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シナマンサク   支那満作   マンサク科マンサク属

シナマンサク
植物園で<撮影:2009年1月>

ちぎり絵の世界

吹きすさぶ空っ風に耐えてこの花が咲いているのをみると、なんともいじらしくて胸が騒ぐ。一つ一つの花は小さなものだが、伸ばした枝の上にも下にもいっぱいの花をつけるから、よく目立つ。
 去年の枯葉を身にまとい、黄色いリボンのような花弁をひらめかせて咲いているその姿は、まるでちぎり絵の世界から抜け出してきたようだ。背中を丸めて冷たい風から身を守りながら、しばらく立ち止まって眺めている私である。

先んじて咲く

黄色いひも状で先がくるりと巻いているのが花弁で、その付け根に卵形で暗紫色の萼や雄しべ雌しべがちんまりとまとまっている。
 「マンサク」の名前の由来については、決め手はないようで、早春に他の花に先んじて開花するので「まず咲く」「まんず咲く」からきたという説と、たくさんの花がつくことから「満作」となったという説が、たいていの図鑑類には併記してある。私としては「まんず咲く」のなまりに共感を覚える。
 また、マンサクは日本の固有種だが、シナマンサクは中国東部原産であり、花の咲く時期になっても前年の枯葉が残っているのが特徴。

呼称について

なお、植物名に含まれている「シナ・支那」は、戦前・戦中、日本の中国侵略と結びついて、中国にたいする侮蔑語として使用された歴史のある言葉であり、中国国民がこの呼称を拒否している現状を思うと、本当は使いたくない言葉なのだが、標準和名として通用しており、知られている別名もないのでやむを得ず使用することにした。同様の名称は他にもあるので、植物を愛するやさしい気持ちを持った人々の中で、こうした問題についての前向きな解決策が議論されるといいのだが…。

<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花2』(写真・茂木透、解説・太田和夫ほか/山と渓谷社)
「日本共産党ホームページ」(Web site)
<記事 2014年1月21日>

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