柊老人のほろ酔い人生 > 植物との出会いの部屋 >  タマガワホトトギス/ハゴロモホトトギス

タマガワホトトギス/ハゴロモホトトギス    ユリ科ホトトギス属

タマガワホトトギス
タマガワホトトギス <撮影:2015年8月>

ハゴロモホトトギス花
ハゴロモホトトギス <撮影:2017年7月>

ハゴロモホトトギス葉
ハゴロモホトトギス <撮影:2017年7月>

実に独特な形、鮮烈な色彩――タマガワホトトギスは、ホトトギスの仲間の中でもとりわけ美しい。一目見れば、たちまちとりこになってしまう。
 花被片は6枚だが、内花被片は長楕円形で、外花被片は広長楕円形。ようするに外花被片の方が幅広い。しかも基部に大きなふくらみがあるので、内・外の花被片でだいぶ雰囲気が違う。このふくらみは蜜腺なのだろうか? それにしては、花粉の授受にかかわる雄しべ・雌しべとはずいぶん離れた位置にあるのが解せない。
 雌しべの花柱は3つに割れ、さらに先が2つに割れる。そこに腺のような球状の突起がおびただしくっついており、なんとも派手でなまめかしい。この球状突起もいかなる役割を果たしているのか、手元の図鑑には何も明示されていない。
 なかなか観察のしがいがある花である。
 だいたい名前にある「タマガワ」だって、「この花の黄色をヤマブキの色に比べ、ヤマブキの昔の名所である京都府井出の玉川に名を借りて、タマガワホトトギスになった」というのが牧野富太郎説だそうだが、こんな持って回った話はすんなりうなずけるものではない。

ハゴロモホトトギス

タマガワホトトギスの葉はふつう両面無毛なのだが、ときに裏面に毛があるものがある。図鑑によっては、それをハゴロモホトトギスとしている。その毛の量や形状についてはなんの説明もないので、とにかく毛がありさえすればハゴロモホトトギスなのだろうか。写真下の葉には、裏面の主脈にわずかだが毛がはえている。写真中の花とその下の写真の葉は同一個体なので、こちらはハゴロモホトトギスということになる。
 写真上の花については、葉裏の毛は確認できなかったので、こっちはタマガワホトトギスで問題ないと思う。

<参考文献>
『日本の野生植物 草本T』(佐竹・大井・北村・亘理・冨成編 平凡社)

<記事 2017年8月13日>

#