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チシオスミレ   血潮菫   スミレ科ミヤマスミレ類

チシオスミレ
<撮影:2014年5月>

葉に血が流れている?

ほぼ1000メートル以上の山の中や高原でお目にかかることのできるスミレである(私自身の見聞だから、厳密さには自信がないが、少なくとも近くの里山などでは見たことがない)。
 サクラスミレの品種であり、花の姿はサクラスミレと変わりなく、大きくて色鮮やかな美しいスミレである。
 ところが、葉を見ると違いくっきり。写真でもお分かりいただけると思うが、立ち上がっている葉の葉脈が赤い。野外で実物を見つけるとちょっとドキドキしてしまう。まるでそこに血が流れているのではないかと思わせるほどの鮮烈な色だからである。これだけでもう名前の由来が得心できる(母種であるサクラスミレの葉脈は、葉面と同じ調子の緑色)。
 サクラスミレと同じように、2枚の上弁がぐっと後ろに反っていることが多く、何となくひしゃげた姿の写真になることが多いのだが(写真の右の花のように)、左の花は上弁をしっかり持ち上げて、ポーズをとっているようである。
地域によって、サクラスミレと混在しているところ、圧倒的にサクラスミレが多いところ、逆にほとんどチシオスミレしか見当たらないところと、分布に違いがあるのも興味深い。

<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑6 日本のスミレ』(写真・解説/いがりまさし 山と渓谷社)
<記事 2014年6月4日>

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