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 チョウジザクラ    丁字桜   バラ科サクラ属

チョウジザクラの蕾
もう少しで開花 <撮影:2016年3月>

チョウジザクラの花
地味で可憐 <撮影:2015年3月>

チョウジザクラの花
平開するとそれなりの存在感 <撮影:2014年4月>

私のよく行く里山のエリアでは、春になって一番先に咲くのがこのサクラだ。
 登山道の取りつきから急坂があり、それを喘ぎながら登って一息入れようとするところに、この樹がある。
 ソメイヨシノのような華やかさとは全く無縁のサクラで、細い枝にポツポツと花をつけるから、うっかりすると見逃してしまいそうになる。というより、無視されているという方が正確だろうか。私が小さな花にカメラを向けていても、脇をとおる登山者はほとんど関心もしめさず、黙って通り過ぎていく。
 でも、私にとっては、花の季節の到来を最初に教えてくれる存在であり、小さなその姿とともに、実に愛おしいサクラである。

 花はふつううつむき加減に咲くが、場所によっては上を向いて咲くものもある。萼が細長く、その先に花が開く姿を漢字の丁の字にみなしたことでこの名がついたようだ。
 咲き始めは何とも可憐で頼りなく見える。開花が進むと花弁を広げそこそこの存在感はあるが、それでも直径は2センチ以下だから、他のサクラと比べるとやはりその可憐さが際立つ。

<参考文献>
『新 日本の桜』(写真/木原浩 解説/大場・川崎・田中 山と渓谷社)

<記事 2016年3月12日>

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