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ウマノアシガタ  馬の脚形  キンポウゲ科キンポウゲ属

ウマノアシガタ
標準タイプ <撮影:2014年5月>

ウマノアシガタ
花弁が6枚 <撮影:2013年5月>

ウマノアシガタ
花弁が7枚 <撮影:2013年5月>

ウマノアシガタ
花弁が白色 <撮影:2013年5月>

ウマノアシガタの別名がキンポウゲ(金鳳花)である。科名にもなっている由緒正しい名が、ウマノアシガタの別名扱いになっているというのは、俄かには納得しがたいものがある。
 キンポウゲは本来、ウマノアシガタの八重咲のものをいう、というのが大方の図鑑の説明なのだが、さてその八重のウマノアシガタ(自生)なるもの、私はいまだに見たことがないし、どの図鑑にも写真すら載っていない。栽培品で八重のものがあるのは承知しているが。
 一方、ウマノアシガタの変種に位置付けられているアカギキンポウゲとか、イブキキンポウゲなどは「〜キンポウゲ」が標準和名になっているのだから、植物に名をつける人々の考えていることは今一つよくわからない。
 キンポウゲという名は、この花の姿に実に似つかわしい名だと思われる。八重のウマノアシガタが自生していないのなら、こちらを標準和名にしてもいいのではないだろうか。大体、ウマノアシガタという名は、根生葉の形から来ると言われるが、これもかなりこじつけっぽくて、大きく3裂しているその葉の形は、およそ馬の蹄とは似ても似つかない。植物名の付け方をめぐるルールとか歴史的事情になると私には全くわからないのだが、この花を見るたびに、釈然としない思いがわいてくるのである。

 それはともかく、やや硬質の花弁が黄色に輝くこの花の姿は実に魅力的である。1輪だけ咲いていても存在感はあるが、群れで見るとあたり一面が黄色い空気に包まれているようで、それはそれは見事だ。
 花弁はふつう5弁なのだが、なかには6弁、7弁のものもある。花弁の色も、ときに白いものがある。
 私の植物観察の師匠であるK氏は、キンポウゲ科に限らず、この種の変わり者を見つける特別な才能を持っているようで、氏に同行させてもらうと、あたりまえのように変わり種が出てくる。こういう体験も植物観察の大きな楽しみである。

<参考文献>
『日本の野生植物 草本U』(佐竹・大井・北村・亘理・冨成編 平凡社)
『山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花』(監修/林弥栄 写真/平野隆久 山と渓谷社)

<記事 2016年12月25日>

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