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ヤブコウジ    藪柑子   ヤブコウジ科ヤブコウジ属

ヤブコウジ実
<撮影:2013年11月> ヤブコウジ花
花は7月ごろ咲く <撮影:2013年7月>

冬枯れの野山を歩くと、足元に真っ赤な実をつけた小さな植物に出会うことがある。ヤブコウジだ。大きくても20センチぐらいにしかならないが、これでもれっきとした木本であり、常緑樹である。万葉集や古今集にも山橘の名で詠まれている。そうとう古くから日本人に愛されていたのだ。
 まるでミニチュアのリンゴのような実。陽が当たるとくっきりと輝く。齧りつきたいような衝動を覚えることもあるが、そこは、もう一人の臆病者の私がブレーキ。図鑑には「かすかに甘い」とあるから、別に毒はなさそうなので、いつか口に入れてみようか。
 花の時期は7月ごろ。やや硬い葉の下で、小さな花をうつむき加減に咲かせる。地味な感じがするせいか、万葉集の歌にも実を詠んだものはあっても花に触れたものはないようだ。
 歩きながら上から見たのでは気づかないことが多いが、やや高さのある崖などで咲いていればたやすく目に入る。花の真ん中にあるやや黒っぽいのが雄しべの葯で、つんと突き出ているのが雌しべだ。花弁のぼつぼつは腺点である(と、図鑑に書いてあったが、実は詳細に確認していなかった)。

<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花』(写真/茂木透 解説/城川四郎・高橋秀男・中川重年ほか 山と渓谷社)
「GKZ植物事典」(Website)

<記事 2014年12月11日>

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