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 ヤマイタチシダ    山鼬羊歯   オシダ科オシダ属

ヤマイタチシダ
 <撮影:2015年6月>

鱗片
鱗片は若いうちはつややか <撮影:2015年5月>

ソーラス
ソーラスは大きい <撮影:2013年11月>

芽出し
芽出しの時期でもなかなかの存在感 <撮影:2014年5月>

<写真4枚>
 別名はイタチシダ。植物観察の師匠であるK氏が、仲間を連れて山を歩いているときに叫ぶ。「お、イタチがいた!」
 たいていの仲間が、動物のイタチを見たのかと思って、「どこだ、どこだ」と騒ぐ。すると氏がおもむろに足下を指さす。そこには、ヤマイタチシダが風に揺れている。
 こんなシーンに何回出くわしただろうか。まあ、みんな半分わかっていて楽しんでいるようなところもあるのだが。

 黒い鱗片がイタチのふさふさした毛を連想するところからこの名がついたのだと言われている。
 たしかに、鱗片は若いころから艶のある黒色で、かなり密に生えている。
 葉の形もシンプルだが、凛として存在感がある。ベニシダとは同じ属になるが、一番下の羽片の中軸寄りの下向きの小羽片(最下羽片の後側第1小羽片、という)が、他の小羽片より明らかに長いことで明確に区別される。ベニシダは、そこの小羽片は丸っこくて、他の小羽片よりずっと小さい。
 ただ、雰囲気がベニシダとよく似ているオオベニシダやトウゴクシダになると、この第1小羽片がかなり長いので、そこだけを見ていると間違えることもある。また、ヤマイタチシダによく似たオオイタチシダなどは、場合によればルーペでしげしげと観察しないと区別がつかないこともあるので、なかなか悩ましいシダではある。
 里山ではありふれたシダなのだが、よく似たシダとちゃんと見分けることができるかどうか、これがシダ観察の面白さでもある。

<記事 2016年2月11日>

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