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ズミ  酸実  バラ科リンゴ属

ズミ花
花 <撮影:2006年6月>

キミズミ
キミズミの実 <撮影:2016年9月>

覚満渕のズミ
覚満渕のズミ <撮影:2008年6月>

赤城山(群馬県)は、我が家から比較的近いこともあって、足しげく通う山の一つなのだが、春から初夏にかけてこの山を彩る樹の花がズミである。
 別名はコナシ、コリンゴなどいくつもの名前があるようだ。まだ植物についての知識がなかったころ、赤城山の蕎麦屋の女将が、店の前にある樹をさして「これはコナシ」と言ったので、そのように覚えた。その樹木の標準和名がズミであることを知ったのは、だいぶ後になってからだった。

 蕾の時は赤みが強いのだが、開花すると真っ白の花びらがまぶしいほど。明るい緑の新葉の中に白い花と紅色の蕾が混じり合った雰囲気は、この樹でしか生み出せない独特の味わいを醸し出している。
 葉の形には変異があって、これもなかなか面白い。若葉はなぜか二つ折りになった状態ででてくる。
 秋に熟す果実は赤い実だが、なかには黄色い実をつける樹もまじっている。これはキミズミと言って、ズミの品種に位置付けられている。秋の赤城山は、赤と黄色のズミの実が競演する。
 和名は、「染(そみ)」の意で、樹皮を黄色染料として用いたことからそういう名がついたと、ものの本(実はウェブサイト)にある。こちらの説をとるなら「酸実」というのは後付けの当て字にすぎないのかもしれない。

<参考文献>
『山渓ハンディ図鑑3 樹に咲く花』(写真/茂木透 解説/石井・崎尾・吉山ほか 山と渓谷社)
「跡見群芳譜」(Website)

<記事 2017年4月22日>

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